ぼうけんのしょ　第3巻



『ハーゴン教団』モンゾーラ教区 総督『ヒババンゴ』に対し、
ビルダー精神と農園復活の夢を説く副総督マギールであったが、
しかし彼は裏切り者として粛清され、『恵みの大樹』まで破壊されてしまう。

皆が悲しみに打ちひしがれる中、約2名は あらん限りの復讐劇を思い描いていた。
具体的にはシドーと私オッサンによる『ヒババンゴ』バラバラ計画である。


さておき、元々『恵みの大樹』は、古のビルダーが作り出した人工物。
ならば新たに作る事も可能なはず、と『かつての大樹』に手掛かりを求めるが、
その大樹は『ハーゴン教団』により腐り風を撒き散らす邪悪な存在となっていた。

わずかに残る大樹の意志のもと 新たな大樹の元となる『命の原木』を抜き取り、
受け継がれた『花のタネ』とともに 住人総出の『恵みの大樹』作りが始まった。
破壊と創造は紙一重とは良く言うが、壊されっぱなしは性に合わないのである。






『恵みの大樹』作りがあまりに順調に進むことを、チャコが気にかける。
人間に希望を持たせておきながら最後は破壊をもって絶望させる、
それが『ハーゴン教団』のやり方であり、今の状況がそうなのではないか、と。

私に言わせれば、そんなやり方はリスキー且つ実入りが少ない愚策とす。
それより、3つの『花のタネ』のうち1つを偽物とすり替えるなどが良い、
『ババンゴの実』があるならババンゴのタネ的なものだってあるだろうし、
その結果『かつての大樹』のように汚染を完了させてしまえば絶望＆制圧完了である。


・・・なんて事を考えていたわけでは決してなくて、さておき、
『恵みの大樹』完成を見計らうように『ヒババンゴ』が来襲する。

たった数撃で拠点と大樹を破壊せしめる威力を秘めた強敵ではあったが、
空振りした時の自爆ぶり、いつまでもバナナ食いをやめない姿勢、
その2つの要素を巧みに利用する我々の敵ではなかった。

バナナの皮によって盛大に滑り散らかし気絶する『ヒババンゴ』がどうなったのか、
敢えてそれを書き残す事はしない、もしかしたらミンチより酷いかもしれない。
少なくともヒババンゴの臀部はズタズタであった。





『ヒババンゴ』のふところから滑り落ちた『はじまりの一葉』、そして、
これまで実らせてきた作物5種を材料に、『風のしずく』を作り上げる。

この ひとしずく が『恵みの大樹』に注がれた時、
モンゾーラ島を覆っていた紫色の腐り風は吹き散らされ、
チャコと住人の夢であった大農園は ついに復活を遂げた。


・・・この復活劇に際し、
破壊を美徳とする『ハーゴン教団』モンゾーラ教区の副総督でありながらも、
モンゾーラの住人を本心から導こうとしていた人物がいた事を忘れてはならない。
その名を『マギール』と言い、彼の遺志は、人々の心に生き続けるのである。


そして我々は、仲間と知識、物資を伴い、『からっぽ島』へと帰還した。






ルル、おおきづちの しろじい との再会を果たし、
一行はついに『からっぽ島』の開拓へと取り掛かる。

古のビルダーが開拓しようとしていたらしい形跡以外は何もなく、
およそ人が住むには適さない殺風景な景色ばかりが広がる土地を前に、
我々はまず『環境そのものから作り上げる』という案を実行に移す。

土砂を除いて道を作り『かわきのツボ』で水を流せば『川』が、
みみずんを中心に土壌を改善すれば『草原』や『森』ができた、
ビルダー『ズ』として一致団結した者達の 力 は、じつに素晴らしい。

だが、住居の確保や食料源となる畑作り、生活基盤の安定化など、
取り組むべき課題はいくらでも残っている、開拓作業はここからが本番だ。


一方で、新たな仲間や知識、物資を島の外に求める事も大切だ、
情報によると、『金属』を豊富に蓄えている島が見つかったらしい。

さらなる開拓のためにも、頃合いを見て出立せねばなるまい、
その話はまた次回、ぼうけんのしょ第4巻に書き記そう。

　以下、ビルダーズ2振り返り＆あらすじ記事のバックナンバーです。

・第1回（https://ch.nicovideo.jp/iiotonatati/blomaga/ar1942895）
・第2回（https://ch.nicovideo.jp/iiotonatati/blomaga/ar1944372）