bearkumaの違法行為シリーズ

「藤女生徒会の真実」のあとがきのあとがき

2013/09/10 01:07 投稿

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今回は、「藤女生徒会の真実」にいただいたコメントの中から、いくつか補足説明的に話を進めます。
で、まず、その中でも、マキの経費流用とかエノの「お前の父ちゃんランジェリー」の発言はどうなるのか?という疑問の声がありましたが、それは次作に予定しています。(現在製作中)


※ 画像は関係ありませんが、精神攻撃は基本だよね。

1 リコの暴行罪について

「男子生徒の自業自得じゃねぇ?」「正当防衛ではないのか?」といったコメントですが、コメントが来るかなと思ったところですが・・・
結局、ボツにしましたが、最初に作ったシナリオでは正当防衛にならないという理由もつけていました。ただ、どうしても長くなってしまうことと、意外に正当防衛の話って、つまらないし面倒くさいんですよね。「勇者エミリアの違法行為3」でも取り上げようと思ったのですが、同様の理由でネタ自体をやめてしまいました。

もっとも、正当防衛以上に面倒くさいのが、緊急避難なんですけどね。

正当防衛って、なんとなくわかっていただけるけど、緊急避難の場面をイメージすることも難しいですから・・・けど、人生の中で正当防衛と緊急避難どちらが必要となる場面が確率が高いのか?といえば、緊急避難のほうが断然高いといえます。

余談はここまでにして・・・
さて、正当防衛について条文を引用すると・・・
第三十六条急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。
 防衛の程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。

問題になるのは、「急迫不正の侵害に対して」という点です。
不正というのは、違法なという意味です。そのため、もともとは男子生徒が女子生徒にボールをぶつけようとしたこと(これも暴行に当たる)から、男子生徒の自業自得であるという理屈は成り立ちます。
しかし、急迫という言葉は、正当防衛でいえば、「今まさに侵害を受けようとしている、受けている」という意味です。つまり、侵害を受けそうだなという予測の段階や、既に侵害を受け終わった後の防衛行為は認められないのです。(過剰防衛にすらならない)
この場面でいえば、ボールを蹴り返したのは、既に侵害行為が終わったあとで、また次の侵害が起きる危険性もないので、正当防衛とは認められないのです。
もっといえば、リコが「こんなところでボールを蹴ってんじゃねぇ」と言いながら蹴り返していることからも、この女子生徒を防衛しようとしたのではないことから、正当防衛に必要な防衛の意思がないといえます。

このようなことから、正当防衛は成り立たないのです。正当防衛のもっとも大きな意義は、防衛行為によって行った違法な行為が、違法ではなくなるというもので、これを違法性阻却事由といいます。そのため、正当防衛として認められなければ、当然、処罰対象になります。

まぁ、正当防衛のことを書くと、日本は厳しすぎるなと思われるかもしれません。特にアメリカでの正当防衛の適用と比べると異様にも感じられるかもしれません。
しかし、アメリカの正当防衛の適用と解釈の幅広さは、逆に珍しいのです。これはアメリカの持つ他の国にはない歴史と文化によるところが大きいのです。これは建国から20世紀初頭まで、アメリカにはフロンティアが存在していました。そのため、国家や州の警察力が及ばない場所ば常に存在していたのです。また、先住民族との抗争も19世紀後半まで続きます。そのため、国家が市民を守りきれない、自分たちの身の安全は、自分たちで担う以外になかったのです。
逆に、日本の場合は、安土桃山時代、信長時代には有力な寺社勢力が武装解除します。さらに、秀吉の時代には刀狩りが始まります。これは、武装するが故に、抗争が起きる、だから武装解除させるという発想です。この発想が秀吉と家康の時代に徹底されるようになってきたのは、戦国時代の秩序が乱れていた状態が解消されたからこそです。つまり、16世紀半ばには(近代的視点からすれば未整備ですが)国内の至るところに諸国の領主が持つ警察力が及ぶようにもなり、個々が防衛する必要がなくなって、今日に至るわけです。これは住民が自治するための武装を不必要とし、法による秩序維持という近代国家において必要な要素を、他の国に比べ早い段階で達成できたという特筆すべきことなのです。

2 エノの住居侵入罪

勇者エミリアの違法行為3でも取り上げたのですが、住居侵入罪は本当にめんどくさいんです。
今回の動画でも、どうしてそれが住居侵入罪になるのか?というところでコメントをいただきました。
「おかしすぎる」短くていいコメントです。
まぁ、他人が勝手に家に入ってきた、忍び込んでいたということになると、大抵の人は驚きますよね。警察を呼びますよね。
ところで、「勝手に人の家に上がり込むことの何がいけないのか?それがどうして住居侵入罪として犯罪で処罰されるのか?と理由を答えてください。」と逆に質問をすると、どんな回答が来るでしょうか?
「そりゃ怖いし、泥棒もされるかもしれないし」となるでしょう。
確かに一理あります。このように住居などの平穏を乱すことから、犯罪であるという考え方を「平穏侵害説」といいます。しかし、平穏説ではどうしても裁ききれない限界があります。

例えば、平穏を乱すということが理由であれば、家人に気がつかれずこそっと入っている時点では、犯罪に問えませんよね。また、今回のように管理権者の意思に反して、立ち入った場合、後になってその事実を知ったというのであれば、犯罪に問うことが難しくなります。
つまり、家人や管理権者の意思に反して立ち入ったこと、その時点で処罰対象とすべきという考え方が必要になってきます。この考え方を「意思侵害説」「新住居権説」といいます。
実際に最近の判例など適用や解釈で言えば、後者をとっています。

そのため、現在では家人など管理権者の「他人を住居に立ち入らせるかどうかの自由(許諾権)」を侵害する行為であれば、処罰対象となり、管理権者を錯誤させ立ち入ったことも、この住居権を侵害したとされるのです。

ただ、この言葉通り解釈されても困ることになります。
例えば、今回のコメントで「(エノが顧問に)「生徒会の仕事をするため」、と申し出ていないけどどうなんだろう」とありましたが、確かにその通りです。積極的に錯誤、騙したというわけではないですよね。だとしたら不可罰になってしまいます。

しかし、これでは「勝手に錯誤した顧問が悪い」とか「なぜ顧問は聞かなかったのか?」ということになり、謂わば、騙されたほうが悪いとされてしまいバランスが悪いです。
このような考え方が適用されれば、管理権者はいちいち立ち入るための理由を、聞かなければならなくなり、まさに人を見たら泥棒と思えという考え方で、社会が共有している信用もへったくれもなくなってしまいます。

大抵の場合、自分の立場や身分を明かし、立ち入るための資格があれば、誰もがその資格に基づく必要性があって立ち入るものだと、誰もが思います。例えば、会社の従業員証を見せれば、仕事にやってきたのだろうと誰もが思います。お前は仕事に来たのか?泥棒に来たのか?といちいち確認するバカはいません。
逆に言えば、このような錯誤の場合、不法に立ち入ろうとする者は、自分の立場を示せば、相手は勝手に正当な理由で立ち入るものだと思ってくれるという、社会が共有している信用を悪用しているともいえます。

そのため、いちいち立ち入ろうとしている者の意思を確認しなくても、また、管理権者が立ち入りを認める範囲内を示さなくても、社会通念として認められる管理権者の意思と立ち入ろうとする者の目的が一致しているかどうかで判断されることになります。
具体例でいえばもっと判りやすいですが、自分でここまで書いておいてかなり食傷気味なので、やめておきます。(どうしてもという方がいらっしゃったら、コメントで希望と書いてください。また新たに記事を書きます)


コメント

もや
No.1 (2013/12/28 12:28)
正当防衛について質問です。
AがBにいきなりぶん殴られてBが逃げ出したのをAが追いかけて殴り返した場合、正当防衛は成立しないのですか?
あと、住居侵入の具体例希望です。
bearkuma (著者)
No.2 (2013/12/31 13:18)
正当防衛について、「急迫不正」の侵害に対する防衛行為について、違法ではなくなる要件を示しています。
この「急迫不正」というところの「急迫」ですが、今まさに侵害を受けようとしている(例えば殴られようとしている)とか、現に侵害を受け続けている(殴られ続けている)のときが該当します。
そのため、侵害行為が終了した時点で、相手に対して防衛行為と思ってそれを行っても、それは正当防衛には認められません。
質問の件でいえば、正当防衛は成り立たないのです。

次に、住居侵入罪についてですが、これは本当に面倒くさい話で、具体例を挙げるとキリがありませんが・・・
もや
No.3 (2014/01/24 22:05)
>>2
分かりました。ありがとうございます。
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