結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2014年10月7日 Vol.132
はじめに
おはようございます。 いつも結城メルマガをご愛読ありがとうございます。
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新刊の話。
『数学ガールの秘密ノート/数列の広場』が店頭に並ぶのは、 来週(2014年10月17日)頃になりそうです。 これは編集さんから聞いた日付なのでまちがってはいないのですが、 実際に店頭に並ぶときには、書店さんの都合がありますので、 多少日付が前後する可能性があります。ご了承ください。
なお『数学ガールの秘密ノート/数列の広場』のサイン本も、 刊行予定日前後にいつもと同じくらいの冊数が店頭に出ます。
今回のサイン本を扱う書店さんリストを結城は持っていませんが、 今年四月の『数学ガールの秘密ノート/丸い三角関数』のときの 【サイン本を扱った書店さんリスト】は以下にありますので、 サイン本ゲットをねらっている方は、ご参考になさってください。
◆(書店リスト)『数学ガールの秘密ノート/丸い三角関数』サイン本情報
https://note.mu/hyuki/n/nf47948d22b7f
(あくまで参考です)
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ランディングページの話。
さて、新刊が出るということで、 「ランディングページ」というものを作ってみました。 ランディングページ(landing page)というのは、 一言でいえば、ある商品専用のPRページですね。
『数学ガールの秘密ノート/数列の広場』のランディングページは、 こんな感じになりました。
◆『数学ガールの秘密ノート/数列の広場』
http://note4.textfile.org/
このページは「でんでんランディングページ」というサイトを利用して作りました。 おおざっぱな手順はこうです。
(1)でんでんランディングページへ行く。
◆でんでんランディングページ
http://lp.denshochan.com
(2)でんでんランディングページの「デモサイト」を見てどんな感じかをつかむ。
◆デモサイト
http://lp-narrative.tumblr.com
(3)でんでんランディングページの「つかってみる」からGithubのページへ行き、 Narrativeテーマを見る。
◆Narrativeテーマ - Github
https://github.com/denshoch/LandingPages/tree/gh-pages/narrative
(4)このNarrativeテーマのところに書いてある使い方に従う。
『数学ガールの秘密ノート/数列の広場』の他にも、 『数学ガールの秘密ノート/式とグラフ』や、 電子書籍『幸福の王子』のランディングページも作ってみました。
◆『数学ガールの秘密ノート/式とグラフ』
http://note1.textfile.org/
◆『幸福の王子』
http://prince.textfile.org/
きれいなページが簡単にできるので、とても楽しいです。
いわゆるレスポンシブWebデザインに対応しているので、 PCやタブレット、それにスマートフォンなど、 画面の大きさが異なるデバイスでも最適な表示になります。
こういう便利なものを作って公開してくださった ろすさん(@lost_and_found)さんに感謝します。
作り方の詳細は後日、結城メルマガでも書きたいと思います。
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このランディングページを作っていて思ったのは、 ふだんから《遊んでおく》のは大事だなということ。
遊んでおくというと語弊がありますが、
・Tumblr.comのテーマを入れ換えて遊ぶ。
・独自ドメインを取得しておきDNSを切り換えて遊ぶ。
・HTML5のテンプレートとして使われるBootstrapで遊ぶ。
・興味のある文章を翻訳して遊ぶ。
・Kindle Direct Publishingで自己出版して遊ぶ。
「仕事で利用するために研究しておく」という方が正しいのかもしれませんが、 結城の感覚としては「楽しいものを見つけたら一通り遊んでみる」に近いです。
何だか「遊び」の方が深いレベルで理解できるみたい。 そして、あれこれ楽しんでいると、 たまたま新刊が出るタイミングで「でんでんランディングページ」が公開された。
ふだんから遊んでいなかったら、 この「でんでんランディングページ」の意味もわからなかっただろうし、 すぐに試してみようとも思わなかっただろう。
その意味で《遊んでおく》のは大事だと改めて思いました。
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新連載の話。
今回から結城メルマガでの新連載、
「数学ガールの特別授業(教師編)」
を始めたいと思います。 これは結城が先日高等学校の数学の先生向けに行った講演をベースにした読み物です。
結城は2014年10月3日、新潟県の先生62名に向けて、
「学ぶ喜び、伝える喜び」
という演題で講演を行いました。
そのときの録音をもとに、講演のライブ感を再現しつつ、 読みやすく整えてお送りします。 毎回PDFになりますので、ダウンロードしてお読みください。
なお、すでに配信した生徒編については、 以下から結城メルマガの過去ログをご覧ください。
◆数学ガールの特別授業
http://www.hyuki.com/girl/lesson.html
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言葉遊びの話。
アンビグラムを作っている、いがときしん(@igatoxin)さんが、 こんなパングラム(五十音をひとつずつ使って作った文章)を公開していました。 数学ガールに登場するユーリという女の子の特徴を読み込んだパングラム (ここでは48文字)です。
- - - - - - - - - -
僕を「おにいちゃん」って呼ぶね
後ろ結びヘアー揺れ
狭き謎見つけたら
燃える目は理逃さぬ
ほくをおにいちやんってよふね
うしろむすひへあーゆれ
せまきなそみつけたら
もえるめはことわりみのかさぬ
- - - - - - - - - -
https://twitter.com/igatoxin/status/411299456898703360
こういうものを見ると、すごくわくわくします! 言葉が持っている意味と制約と形式がタイトに結びつくように感じるからです。
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オバケの話。
結城はアイコンとして、 「スレッドお化け坊や」というオバケキャラを使っています。
ハロウィーンの季節のせいか、 この「スレッドお化け坊や」に似たオバケの 「発見ツイート」がときどき流れます。三つほどご紹介。
◆横浜のドンキホーテにて(@kiyotaka_akkyo さんのツイートより)
◆@kiyotaka_akkyo さんのツイート
https://twitter.com/kiyotaka_akkyo/status/515853108811812865/photo/1
◆あれは……結城浩先生!? (@mugicha_7 さんのツイートより)
◆@mugicha_7 さんのツイート
https://twitter.com/mugicha_7/status/517200423506018304/photo/1
◆あ、結城先生!(@natuki333 さんのツイートより(部分))
◆@natuki333 さんのツイート
https://twitter.com/natuki333/status/517606763751682048
みなさん、楽しいツイートありがとうございます!
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英語版『数学ガールの秘密ノート/整数で遊ぼう』の話。
先日ご紹介したように『数学ガールの秘密ノート/整数で遊ぼう』の英訳本が出ています。 しばらく日本で購入できなかったのですが、現在は日本のアマゾンで購入できます。
英語版『数学ガールの秘密ノート/整数で遊ぼう』は、 "Math Girls Talk about Integers"(数学ガールが整数についておしゃべりする)という タイトルになっています。
◆Math Girls Talk about Integers (アマゾン)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/1939326230/hyam-22/
◆Math Girls Talk about Integers (表紙)
以下のページでは、サンプルとして初めの章をPDFで読むことができます。 "Download a sample!"のリンクをたどってください。
◆Math Girls Talk about ...(Bento Books)
http://bentobooks.com/math-girls-talk-about/
発売以来ずっとChildren's Advanced Math Booksのジャンルで、 Math Girls Talk about... シリーズの二冊が第一位と第二位になっているようです! みなさんの応援を感謝します。
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英訳といえば、先日アメリカの方からメールでのインタビューを受けました。 質問事項がいくつかあり、それに対して結城が答えを日本語で書く。 それをトニーさんが英語に翻訳するという流れです。
それに答えながら思ったことは、 数学の先生の悩みも、数学ガールを読んで抱く驚きと喜びも、 日本の先生もアメリカの先生も大きくは違わないということ。
数学ガールと結城のインタビューの答えを読んだアメリカの生徒さん(中学生)は、 学校の先生に「数学の宿題をもっと出して!」とお願いしたそうです(!)
そのインタビュー記事も、公開されたらご紹介しますね。
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庭に作る家の話。
これ、書き物をする人の多くは「おおっ」と思うんじゃないでしょうか。
◆自宅の庭にも隠れ家を、作家のための物語の家
http://yadokari.net/minimal-life/14946/
自宅の庭に創作の場所としての家を建て、 そこで集中して書き物をするという話題です。
結城は、自宅で書き物をすることはあまりありません。 日記やブログやツイートなどは書きますが、 本のための文章を書くことはめったにないです。 それは集中が途切れるのがいやだからです。
最近書いていませんが、 連載「フロー・ライティング」に通じる話ですね。 自宅の庭にこんな家があったら……って、 そもそも庭がなかった(あらら)。
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文体の話。
以下の記事では「インタビュー文体」が四通り紹介されています。
◆オウンドメディアの空気を決める、4つの「インタビュー文体」活用方法
http://www.infobahn.co.jp/ib_column/4047
同じインタビュー記事をまとめる場合でも、 文体が違うと印象もずいぶん異なるものだと思います。
そしてまた、インタビュー記事以外でも、 ここで紹介されているインタビュー文体に乗せることで、 「インタビュー風の紹介記事」のようなものが書けそうですよね。
結城は以前、自分の本を紹介するために自分で自分にインタビューしたことがあります。 たとえば、これです。
◆『数学ガール』出版記念インタビュー
http://www.hyuki.com/girl/interview.html
このようなインタビュー形式は読みやすいものです。 対話の形でさくさくと話が進むからでしょうか。
対話の形といえば、ラジオ番組のような形式にしたこともあります。 たとえば、これです。
◆『数学ガール』トークイベント
http://www.hyuki.com/girl/talk.html
ここでは、数学ガールのキャラクタが話し合うことで、 内容紹介と同時にキャラクタ紹介を行っていますね。
と、ここまで書いてきて思うのは、 必ずしもインタビュー形式でなくても、
「読者が親しんでいる既存の形式」
に落とし込むのがいいのかもしれないと気付きました。
たとえば、四コマ漫画風にしたり。
◆ギコ猫と暗号技術入門
http://www.hyuki.com/cr/cat_index.html
たとえば、2ちゃんねるのスレッド風にしたり。
◆【暗号】結城さんの暗号本を紹介するスレ【認証】
http://www.hyuki.com/cr/crself.html
既存の形式に乗せることで、読みやすくなるのかもしれません。
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それでは、そろそろ結城メルマガを始めましょう。
今回は先日10月3日に結城が行った講演を読み物にリライトした、 新連載第一回をお届けします。 題して、
「数学ガールの特別授業(教師編)」
です。
お楽しみください!
目次
- はじめに
- 数学ガールの特別授業(教師編)
- 有給の話から、働くということを考えた
- おわりに
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