結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2014年6月3日 Vol.114
はじめに
おはようございます。 いつも結城メルマガをご愛読ありがとうございます。 いかがお過ごしですか?
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「数学ガールの秘密ノート」シリーズは、年二回の刊行を目指しています。
今年の秋刊行を予定している第四弾は、
『数学ガールの秘密ノート/数列の広場』
です。作業は始動しているのですが、そろそろ本格的に進めなくては。 ということで、レビューア候補となっている方々に先日メールを送りました。
結城は毎回、自分の本をボランティアのレビューアさんにレビューしてもらっています。 一つの章ができるごとに、レビューアさんにPDFを送付し、コメントをいただくのです。
今回はレビューア候補の33名にメールを送りました。 〆切は今週の金曜日なのですが、 うれしいことにさっそくたくさんのお返事をいただきました。
無償のレビューなのに、みなさん快く引き受けてくださり、 ありがたいことです。
「数学ガール」本編のシリーズとは違い、 「数学ガールの秘密ノート」シリーズは物語中に明確な時間経過はなく、 毎回、一つのテーマをめぐって繰り広げられる「数学トークの連作」という趣になっています。
系統立てて一から積み上げて学ぶのとは違い、 散発的な印象もなくはないのですが、内容は基本的なところから説明しており、 中学生・高校生が読む数学物語としては最適かもしれませんね。
これから行うのは第四弾の書籍化で、 連載の第31回〜第40回の10回分が一冊にまとまる計算です。
一方、Web連載の方は現在第78回までが終了したところですから、 現在連載中の分が書籍化されるのは第八弾、2016年ということになります。 ……さてどうなりますか。
* * *
それはさておき、早いものでもう6月ですね!
気持ちのよい気候と思っていたら、いきなり暑い日が続きました。 体調を崩さないようにしなくては。
結城は week.textfile.org というページを作って、 「今年のうち何パーセント過ぎたか」が簡単に調べられるようにしています。 たとえば、結城メルマガを書いている今日アクセスすると、 こんなふうに表示されます。
2014年6月2日
第23週目、月曜日
今年の約41.8%が過ぎました。
#ぐぬぬ
http://week.textfile.org/
まさに「ぐぬぬ。今年はもう41.8%も過ぎたの?」と言いたくなります。 結城はこれを毎日見て「ぐぬぬ。がんばらなくちゃ!」と思っています。 そしてときどきTwitterに流しています。
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とはいえ「がんばる」といっても限界がありますよね。
結城は作業記録がてら、まとまった作業の開始と終了をツイートしています。 そうすると「自分が連続して仕事できる時間」というのがどのくらいかだいたいわかります。
文章執筆・推敲・校正などの仕事を何時間も連続で(休憩なしで)行うのは不可能です。
・朝から午前中に掛けて元気がいい時間なら、一時間半〜二時間。
・午後に入ると一時間〜一時間半。
・そして夕方になると、三十分〜一時間。
当然ながら、疲れてくれば来るほど連続して作業できる時間は短くなります。
時間帯で最も有効に使えるのは「9:00〜11:00」の二時間ですかね。 ここは「黄金の時間」といえます。 すっきりした頭で深く考えることができるし、意欲もある時間帯です。
でも、経験上「文章書き」と「図版描き」は性質が違うようです。 図版を描く作業は、夕方から夜に掛けても連続二時間くらい続けることができます。
文章を書く頭と、図版を描く頭は、まるで別のような動きをしていますね。
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コミックをご紹介。
◆『ひきだしにテラリウム』(九井諒子)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00E59A03O/hyam-22/
内容を説明するのは難しいのですが、 ひとことでいえば「多彩な短編集」ですね。
短編というかショートショートのようなコミック集です。 でも、一人で描いているとは思えないほど多彩なジャンルを扱っています。 新鮮な刺激を味わえる不思議な作品ですので、機会があれば。
雰囲気は星新一のショートショートに近いかもしれません。
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そんなところでそろそろ、結城メルマガを始めましょう。
今回は「フロー・ライティング」のコーナーで、 結城が最近悩みつつ考えている「よく知らないけど、気になること」 という読み物をお送りします。
それから、この4月からときどき書いているnote(ノート)の話。 また「文章を書く心がけ」では「メディアごとに変わる文章」をお届けします。
それではどうぞ!
目次
- はじめに
- フロー・ライティング - よく知らないけど、気になること
- noteで本を売る - 本を書く心がけ
- メディアごとに変わる文章 - 文章を書く心がけ
- おわりに
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