結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2013年12月24日 Vol.091
はじめに
おはようございます。 いつも結城メルマガをご愛読ありがとうございます。
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今日は12月24日、クリスマスイブですね。
幼稚園か小学一年生くらいのときのクリスマスを思い出します。 記憶ははっきりしませんが、 その頃はサンタさんをまだおぼろげながら信じていたでしょうか。
クリスマスイブの夜、布団に入りながら、
「今晩、ずっと起きていて、サンタさんの正体を確かめよう」
と固く決心しました。 これ、もしかしたら多くの子供たちが一度は決心することかもしれませんね。
かなりがんばりましたが、途中でうとうとして、 はっと気づいたらもう外がすこしだけ明るくなっている。 朝です。
「しまった!」
と頭では思ったものの、まだ夢うつつ状態。 必死になって頭を上に向けて枕元にプレゼントがあるかどうかを探します。
ある。
何か黒いかたまりがあります。
(これは、ずっと欲しかったロボットでは?)と手を伸ばして その黒いかたまりをつかみます。
ぐにゃ。
その黒いかたまりは妙にやわらかいものでした。 ロボットじゃありません。頭が「?」で一杯になったまま、 子供時代の私は再び夢の世界に入っていきました。
朝になって改めて見てみると、その「黒いかたまり」というのは、 母が手作りで作ってくれた「ぬいぐるみ」でした。 よく覚えていないけれど、何かの動物だったはず。 しかし、黒い動物って何だろう……クジラか何かでしょうかね。
ロボットじゃなくて残念だったけれど、ぬいぐるみはきらいではなかったし、 それにサンタさんの正体も判明したので、それなりに満足でした。
母からのプレゼントはそのぬいぐるみで、 父からのプレゼントは科学の学習漫画の本が二冊でした。
ぬいぐるみを抱っこしながら、 学習漫画を繰り返し読みましたよ。
……それが、私の小さい頃のクリスマスの思い出です。
あなたは、どんな思い出がありますか。
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ようやく『数学ガールの秘密ノート/整数で遊ぼう』が書店に並びました。 たくさんの方の「買いました」というツイートを読みながら、 結城は感謝でいっぱいです。
いつもお世話になっている神保町の書泉グランデさんが、 結城のアイコンを模したPOPを出していらっしゃいました。 たいへんインパクトがあったのでご紹介します。
◆書泉グランデMATHさんによる「サイン本はこちら」
https://twitter.com/rikoushonotana/status/412817400715685888
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ぜんぜん別の話ですが。
猪瀬都知事が5000万円を受け取っていたことに関連して辞意を表明。 それに関連して都知事選挙を行うには50億円かかるという記事を見かけました。
「5000万円を追求して知事が辞意を表明した結果、都は50億円を使うことになった」 と考えると「んー、何だか変な感じ」と思わないではないです。
でもその一方でもちろん「ルール違反があったのならきちんと追求して、 正しく行動できる都知事を選び直すために、そのくらいの支払いはしょうがない」 という考え方もあります。
そこでふと思ったのは、
「50億円」というのは、
東京都にとってどれだけの重みがある金額なのか?
ということです。 一個人にしたら50億円も5000万円も大金ですが、 あまりにも大金過ぎてピンと来ません。
東京都が扱うお金の単位はそもそも大きいわけですから、 それに比例させて「重み」も変わるでしょう。
検索してみると、平成25年度の歳入のうち都税は42,804億円だそうです。
42,804億円にとっての50億円ってどのくらい?
わかりません。 そこで 仮に「都税42,804億円の東京都」を「年収428万円の家庭」にあてはめてみます。 桁をずらすだけでよいので考えやすいですよね。
「42,804億円:428万円」は、およそ「50億円:5000円」と同じ比率です。
そうすると、東京都にとっての選挙費用50億円というのは、 年収420万円の家庭にとっての5000円に相当するとわかりました。
選挙費用50億円と聞くとべらぼうに高いと感じるのですが、5000円と聞くと ずいぶん印象が変わりませんか。
「大きな数」が出てきたときには、 用心しないといろんな判断を間違いそうだなと思った次第です。 もっとも「こういう比率の計算で感じたことにはどんな意味があるんだろう」とも 思うわけですけれど。
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さて、そろそろ結城メルマガを始めましょう。
今回のメインコンテンツは「数学ガールの特別授業」で、 先日高等学校で結城が行った授業のようすを読み物風にまとめたものです。 数回に分けてお送りしています。
それから、そろそろ年末ですので、 今年の初めに考えていた「新年の抱負」を振り返ってみましょう。 そして、来年の新しいスタートの準備をしていきます。
どうぞお楽しみください!
目次
- はじめに
- 数学ガールの特別授業
- 本を書く心がけ - 「新年の抱負」の振り返り
- 次回予告 - 数学文章作法
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