結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2012年6月26日 Vol.013
結城クイズ
答えのない質問ってなんでしょうね。
はじめに
2012年5月末に拙著『数学ガール/ガロア理論』が刊行されて、 もう少しで一ヶ月。そろそろ新刊刊行にまつわるあれこれは 出版社さんと書店さんと読者さんにおまかせして、 結城の方は新しい本の仕込みに集中していこうと思います。
いわゆる「ハレ」と「ケ」でいえばハレが終了し、ケに向かうところ。 新企画は複数個がすでに動いているので、 さらに深くじっくりと考えを深めていきたいですね。がんばろう!
さて、本を書くことに関して、結城はつねづね、
「魔法の呪文は毎回発見しなくてはならない」
と思っています。 つまり、本を書くときに「前回と同じようにやればうまくいく」とは 考えないようにしているという意味です。
ほんとうのおもしろさを引き出すために、おもしろさの本質に迫るために、
「いま書いている本では何が大切なんだろう」
と真剣に考え続ける必要がある。 そして、
「ああ、そうか。今回の本は《このこと》が大切なんだ!」
という核になる部分を見つけ出す。 その核になる部分を見つけ出す作業は、本を書くたびに 毎回ゼロからやりなおさなければならない。 それが「魔法の呪文は毎回発見しなくてはならない」という意味です。
逆にいえば「マニュアル化の排除」でもあります。 もちろん、具体的な作業でマニュアル的にやるところはたくさんあります。 スクラップ&ビルドを無駄にやるべきといっているのではありません。 けれど「ほんとうのおもしろさ」や「おもしろさの本質」を 発見し、掘り下げ、理解する部分はマニュアル化ができません。 こうすれば絶対うまくいく、なんていう方法はありません。 ていねいに、全精力を傾け、時間をたっぷり注いで――
悩み、
頭をしぼり、
おっくうがらずに手を動かす。
それをしながら「何か」を探す。
そのような愚直な日々が不可欠。 結城は、そんなふうに思っています。
「魔法の呪文」については、何度も結城は日記に書いています。 ご興味のある方は以下からどうぞ。
◆結城浩のサイトから「魔法の呪文」を検索する
http://bit.ly/hyukimagic
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目次
- 文章を書く心がけ - 順番と呼応を意識する
- コミュニケーションのパターンランゲージ - お約束の話題
- 教えるときの心がけ - 姿勢を伝える
- Q&A - 気になる人にうまくメールを書けない
- 次回予告 - 手書きノートのスナップショット(4)
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