結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2013年5月13日 Vol.059
はじめに - 自分の身体を動かして
おはようございます、結城浩です。 いつも結城メルマガをご愛読くださり、ありがとうございます。
先日、道を歩きながらふとこんなことを考えました。
どこか決まった場所に行くことや、
机に向かうことが仕事の本質ではない。
こんな言葉がふっと頭に浮かんだのですね。 これは正しいと思います。 仕事を進めるためには仕事をするためにしっかり考えることが本質なのであって、 特定の場所(たとえば会社)に行くことが本質ではありません。 極端なことをいえば、会社に行かなくてもきちんと仕事ができればよいわけです。
でも、即座に反論が浮かびました。
確かに、どこか決まった場所に行くことや、
机に向かうことが仕事の本質ではない。
しかし、決まった場所に行ったり
机に向かうことが仕事を進めてくれることはある。
これもまた真理です。
いつも仕事をしている場所に行くことでスムーズに仕事を開始できたり、 お気に入りの席に着くと仕事の質が上がったりする。 そういうことは確かにありますね。 簡単に「なになには仕事の本質ではない」と言い切れるものでもなさそうです。
たとえば結城は喫茶店やカフェ(この二つは何が違うんだろう)に 出かけていって仕事をするわけですが、 そこには自分のノートPCを持っていきます。 でも、変な話ですよね。いつものPCにいつもの自分。 違っているのは仕事をしている場所だけです。 喫茶店に行ったからといって テーブルに置かれたメニューに重要なデータが記載されているわけでもないし、 コーヒーカップに並んで参考文献が置いてあるというわけでもない。 でもなぜか、この喫茶店に行くとメルマガの執筆が捗るという場所がある。 慣れというべきなのか、習慣というべきなのか。
そういえば執筆に入る前のジンクスを聞いたことがあります。 どなただったか忘れましたが、鉛筆をたくさん削っておくとか、 顔や手を念入りに洗わないと執筆を開始しないとか。 自分の執筆のスタートをするための「儀式」があるのですね。
そう考えると、どのカフェで仕事をするのかというのも、 あながち軽視できないのかもしれません。
どこででも仕事ができるのは確かにそうなんですが、 そうそう決めつけるものではなくて、
「自分の身体を特定の場所に動かしたときの効果」
を見極めることが大切なのかな。
* * *
さて、そんなところで今回の結城メルマガです。 まずは《夢中になって書く》『フロー・ライティング』のコーナーです。 今回は「音楽と文章」というタイトルでお届けします。 文章を書くときに音楽をかけるのはなぜかな、という読み物です。
それから「本を書くときの心がけ」では「自著の宣伝」について 思うことをつらつらと書きました。題して「遠いところにボールを投げる」です。
Q&Aのコーナーでは「自己紹介が苦手です」という方にお返事しました。 このご質問、実はずいぶん以前にいただいていたのですが、 返信するのを忘れていました。遅くなってしまい、もうしわけありません!
では、今回の結城メルマガをお楽しみください!
目次
- はじめに - 自分の身体を動かして
- フロー・ライティング - 音楽と文章
- 本を書く心がけ - 遠いところにボールを投げる
- Q&A - 自己紹介が苦手です
- 次回予告 - 再発見の発想法
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