Vol.291 結城浩/伝えたいことを確かめながら/低空飛行でも飛行は飛行/花火を上げてほめる/

結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2017年10月24日 Vol.291

はじめに

おはようございます。結城浩です。

いつも結城メルマガをご愛読ありがとうございます。

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「あみぐるみ」の話。

今回はかわいいお話から。

ミシマさん(@Mishima_m_m)が、 結城のアイコンである「スレッドお化け坊や」の「あみぐるみ」 を作って下さいました。

 ◆「スレッドお化け坊や」の「あみぐるみ」

2017-10-19_amigurumi.png

 https://twitter.com/Mishima_m_m/status/921130701927235584

とってもかわいいですね。

ありがとうございます!

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夫婦の話。

Twitterで、ふじみさん(@fujimixxx)が、 こんなツイートをなさっていました。

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 最近夫と数学の話をしてないな。
 結婚前だったと思うけど、
 どこかに出かける時に数学ガールを一緒に読むのが好きだった。
 解説が丁寧に書かれているのでよく読めば問題が解けるはずなのだけど、
 生来のせっかちさと、数学なら彼が饒舌になるという喜びで
 あれこれ話しながら電車に揺られるのが幸せだった。

 https://twitter.com/fujimixxx/status/919704820469997568

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仲の良いご夫妻の風景が浮かぶようなツイートだと思いました。 結城が特に感銘を受けたのは、 「数学なら彼が饒舌になるという喜び」 というフレーズです。

ご夫妻のますますのお幸せを祈ります。

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豆乳ヨーグルトの話。

わが家の朝食には必ず「豆乳ヨーグルト」が出ます。

市販のヨーグルトをベースに、豆乳を入れて発酵させて増やし、 「豆乳ヨーグルト」にしているのです。 作り方はとっても簡単!

(1)ガラスの広口瓶をよく洗い、 市販のヨーグルトを大さじ1〜2杯入れます。

(2)市販の豆乳を200ml〜600ml入れて、よくかき混ぜます。

(3)電子レンジで30秒ほど温めて、 ホコリよけとして小皿を乗せて、一晩おけばできあがり。 キーウィやバナナなどを小さく入れて、めしあがれ。

分量や時間を目安として書きましたが、 かなり適当にしても大丈夫のはずです。 いいかげんに作っても、ヨーグルトくんが頑張ってくれるからです。

ただし、あまりにも豆乳が多すぎたり、 時間が短かったり、寒すぎたりするとそれほど固まりません。 何度か自分でトライして、 ちょうどいい分量を探ってみてください。

できた「豆乳ヨーグルト」は、すぐに食べ切りましょう。 わが家の場合には朝食ですべて食べてしまいます。 その意味では、ちょうど食べ終えるくらいの豆乳を用意して、 そこに市販のヨーグルトを投入すると考えた方がいいかもしれません。

できた「豆乳ヨーグルト」をタネにして、 さらに孫ヨーグルトを作るという、いわば 「ヨーグルトの永久生産」はできません。 家庭で発酵させると、孫ヨーグルトくらいから、 明らかに味が落ちます(やってみたんかい)。 おそらく雑菌が入るのでしょうね。 市販のヨーグルトを一回増やしておしまい。

市販のヨーグルトはお高いので、 豆乳を入れるだけで数倍に増えるのは嬉しいです。

牛乳パックに直接ヨーグルトを入れて作る人もいます。 そうすれば、洗い物が少なくなっていいですね。

文章だけだと楽しさが伝わりにくいので、 こんなイラストにしてInstagramに投稿しました。

 ◆豆乳ヨーグルトの作り方

2017-10-15_yogurt.jpg

 https://www.instagram.com/p/BaRZnCkgg6G/

ぜひ、あなたもお試し下さい!

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セキュリティの話。

先日のことです。

iPhoneには、そばにいる人とファイルを共有するための、 AirDropという仕組みがあります。

結城はふだんAirDropはオフにしているんですが、 どうも誤タップしてオンになっていたようです。

カフェで、何気なくiPhoneの画面を見たら、 近くにいる女性と思われる人のフルネームが表示されていてぎょっとしました。

おそらく、その女性はiPhoneの名前設定に自分のフルネームを入力し、 しかもAirDropをオンにしているのでしょう。 この方は、自分のフルネームを周囲に知らせていることになります。

WiFiのSSIDでも似た話がありますね。 iPhoneのテザリング(インターネット共有)を使っていると、 SSIDに「〇〇〇〇のiPhone」と名前が表示されます。 そのため、近くでWiFi使っている人には、 名前が筒抜けになるという現象です。

混んだカフェや満員電車なら、 「○○○○」がどの人なのかわからないからまだしも安全ですが、 数人しかいない電車の車両や、 極端に人が少ないカフェなどでは、 「ああ、この人は○○○○という名前なんだ」 とわかってしまいますね。

この件、気になるなら「AirDrop バレバレ」などで検索すると、 詳しい情報や対策が書かれたページが見つかります。

AirDropで名前が他人にわかってしまうリスクについて、 Apple公式サイトに情報はあるだろうかと思って検索したけれど、 すぐには見つけることはできませんでした。

以下のページでは、AirDropでこんなことができますよ。 便利ですよ。うまくいかないときにはこうすればいいですよ。 とは書かれていますが、 潜在的な危険性については書かれていないようです。

 ◆iPhone、iPad、iPod touch で AirDrop を使う
 https://support.apple.com/ja-jp/HT204144

もちろん、自分の名前が他人に知られたところで、 すぐにトラブルになるわけではありません。 でも、何となく気になりますよね。

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俳句の話。

結城はテレビをそれほど見ないのですが、 先日見た「プレバト!!(俳句)」はたいへん面白かったですね。 お題は「紅葉」。NON STYLE 石田明さんが自由律俳句で、

 空をひっかく葉先から枯るる

と詠みました。紅葉の葉が空をひっかくように見え、 冬に触れる葉先から枯れていくという句だそうです。 夏井いつき先生の指摘は、

 ・「枯るる」は連体形なので終止形に
 ・書き言葉なら「枯る」で話し言葉なら「枯れる」
 ・書き言葉なら「葉先より」で話し言葉なら「葉先から」

というもの。 石田さんは話し言葉を選び、添削後は、

 空をひっかく葉先から枯れる

となりました。

結城は俳句のことはさっぱりわかりません。 でも、論理的に解説し、リズムも含めて直し、 書き言葉と話し言葉のどちらに寄せるかを石田さんに選んでもらう。 その流れすべてを番組の短い時間で行う。

このプロセスに感銘を受けました。 おもしろかった!

 ◆プレバト!!
 http://www.mbs.jp/p-battle/

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アウトライナー「Dynalist」の話。

結城は、 アウトライナーとしてWorkFlowyというサービスを使っています。

 ◆WorkFlowy
 https://workflowy.com

WorkFlowyの無料プランでは作成できる最大項目数が250個です。 結構な量があるのですが、調子にのって書いていたら、 上限まで達してしまいました。

WorkFlowyは便利だから、 PayPalで料金支払って有料にUpgradeしようかな。 と思って支払おうとしたらネットワークエラーに。 あらら。 しょうがないので、使っていない項目を消し、 一時しのぎして使おうかな……

……という経緯をTwitterでつぶやいていたら、 Dynalistの公式アカウント(@DynalistHQ)から、

 「Dynalistを使ってみたら?
 無料プランでいくらでも項目作れまっせ」

という宣伝リプライをいただきました。 DynalistはWorkFlowyと同様のアウトライナーですから、 いわばライバルのサービス。この宣伝リプライは、 サービス乗り換えのオススメというわけです。

 ◆Dynalistのタイムリーな宣伝リプライ(スクリーンショット)

2017-09-22_dynalist.png

ものは試し。 せっかくなので、Dynalistを使ってみたところ、 これがとてもいい!

 ・無料プランで項目が無制限
 ・フォントを変更可能
 ・キーマップも変更可能
 ・数式も書ける

Dynalistは、結城の仕事にぴったりかも!

 ◆Dynalist
 https://dynalist.io

Dynalistは、WorkFlowyの機能をかなりカバーしています。 少なくとも結城がWorkFlowyで使っている機能は、 すべてDynalistにありますね。 WorkFlowyを初めて使ったときに感動した「ズーム機能」や、 「項目のドラッグによる移動」などももちろんあります。

WorkFlowyからDynalistへのインポートも容易です。 インポート機能もありますし、そもそも、 WorkFlowyでコピーしてDynalistでペーストすれば、 アウトラインがそのまま移せるので手軽に移行できます。

結城は、WorkFlowyのドキュメントをぜんぶDynalistにインポートし、 WorkFlowyは使わなくなってしまいました。

書籍のアウトラインを考えるとき、 Web連載での話の流れを整理するとき、 現在はいつもDynalistを使っています。

たとえば、Web連載の第210回の流れを考えているときには、 Dynalistでこんなアウトラインを書いていました。 このスクリーンショットで全体の4分の1くらいです。

 ◆Web連載のアウトラインをDynalistで考える(スクリーンショット)

2017-10-23_dynalist.png

ツイートを探っていたら、 以前フォロワーさんからDynalistを教えてもらっていたのに気づきました。 WorkFlowy互換のDynalistというサービスがありますよ、 と情報をいただいていたのです。 でも、そのときはWorkFlowyでそれほど困っていなかったので、 乗り換えには至りませんでした。

今回、Dynalistに移行がするすると進んだのはなぜでしょう。

 ・WorkFlowyの最大項目数にぶつかって困っていた
 ・WorkFlowyの有料プランに移ろうかと迷っていた
 ・そのタイミングで無料プランで項目無制限のDynalistを勧められた
 ・WorkFlowyから手間いらずでDynalistに移行できた

という流れだったから、移行が進んだのですね。 サービスを売り込むときに、

 ・宣伝のタイミング(問題の明確な解決)
 ・製品の互換性の高さ(乗り換えコストの低さ)
 ・試してすぐに「いい」と感じる点(デフォルト設定の妙)

は重要なんだなあと感じた次第です。

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「朝のコント」の話。

ある朝、まるでコントのような出来事がありました。

結城はカフェで仕事をするのが好きです。

店員さんは、結城の注文を元気な声でさわやかに復唱します。 それがとっても気分がいいのです。

 結城「アメリカンコーヒーお願いします」
 店員「はい、アメリカンコーヒーですね!」

 結城「支払いはSuicaでお願いします」
 店員「はい、Suicaですね!」

 結城「(ピコッ)」
 店員「…すみません、ご注文は何でしたでしょうか?」

復唱して、テンポ良くやりとりしていたのですが、 店員さんは直前の注文をど忘れしてしまったようです。 朝は、めまぐるしく忙しいですものね……

こんなコント風のやりとりで、 思わずにっこりしたというお話でした。

 * * *

それではそろそろ、 今回の結城メルマガを始めましょう。

どうぞ、ごゆっくりお読みください!

目次

  • はじめに
  • アイキャッチ画像作成ツールを作る
  • 伝えたいことを確かめながら書く - 本を書く心がけ
  • 低空飛行でも飛行は飛行
  • 花火を上げてほめる - 教えるときの心がけ
  • おわりに