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世界的なプロダクトを生み出す日本の美的感覚:その8(2,126字)

2016/03/01 06:00 投稿

  • タグ:
  • 日本の美的感覚
  • 岩崎夏海
  • ハックルさん
  • ジャポニズム
  • 工芸
『ジャポニズム』

明治維新(一八六八年)より少し前の一八五九年から、日本は鎖国を解いて開港し、諸外国との貿易を再開した。すると、さまざまな輸入品が押し寄せると同時に、貿易商たちはさまざまなものを買っていって、外国に売ってもいった。

そのとき、貿易商たちは最初は日本の海産物や農作物を買っていった。それが日本の特産であり、売り物になると考えたからだ。
しかし、案に相違してそうした第一次産業品は売れなかった。それは、そうした産業が諸外国と差別化できていなかったからだ。第一次産業に競争力はなかった。
しかし、それとは逆に第二次産業、つまり工業製品や手工芸品はよく売れるということが分かった。特に、日本の職人たちが作った工芸品がよく売れたのである。

売れたのは、寄せ木細工などの木工品、有田焼などの陶磁器、象牙や貝を細工、あるいは漆工芸などである。これらは高い美的完成度を誇っており、諸外国に類似するもの

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