ハックルベリーに会いに行く

ライトノベルの書き方:その25「主体的と他動的のハイブリッド」(1,895字)

2015/06/30 06:00 投稿

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「桃太郎」の主人公、桃太郎は、自分のうちから湧き上がってきた「旅に出たい」という衝動に突き動かされ、鬼の征伐を「口実」に旅に出る。しかしながら、いくら口実だからといって、旅に出られたらそれを放り出すようなことを、桃太郎はしない。口実といえども、一旦口にしたことは敢行しようとする。そうして本当に鬼の討伐に行くのである。いうならば「嘘から出た誠」となるのだ。

桃太郎という人物においては、その嘘と誠の境界線が非常に曖昧なのである。そしてその曖昧さは、非常にリアリティがある。どんな人にでも「嘘から出た誠」というのはある。その場をとり繕うために言ったことを、行きがかり上せざるを得なくなるのは日常茶飯事だ。むしろそういう行きがかり上でしたことの方が、自らの運命を大きく動かすことも多い。それだからこそ、桃太郎のこの行動には多くの人が共感できるのだ。

川上量生さんは、ジブリのプロデューサーである鈴木敏夫さ

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