「百年の孤独」の主人公、ホセ・アルカディアは、二人の息子たちに教育をしない。
では、彼は何をするのか?
それは、自分の背中を見せるのである。何かを見たり、何かをしたり、何かを言ったりしている自分自身の姿を見せるのだ。
子供に限らず人間というものは、他人の背中を見ている。
ところで、「背中を見る」とはどういうことかというと、人そのものではなく、その人が見ているものを見る――ということだ。
マーケティングの手法の一つに、他人に何かを見させる簡単な方法があるという。
それは、上を見上げることだ。そしてその先に、見せたいものを設置するのである。
想像してみてほしい。宣伝マンのあなたは、街中の高いところに広告の看板を設置する。そして、往来の真ん中に突っ立って、その看板を見上げる。
すると、驚くべきことに往来を行き来するほとんどの人が、上を見上げるのである。そして、あなたが見ている看板を見てくれるのだ
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