ライトノベルの書き方:その23「『桃太郎』における旅の意味」(2,097字)
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ここまで見てきたように、「桃太郎」の旅は神話的だ。
それは、逆にいえば「桃太郎」を子細に見ていけば、「神話における旅とは何か?」が見えてくる――ということでもある。
そこでここでは、桃太郎の旅とは一体何か? その本質には何があるのか?――ということを、事象を分析しながら見ていきたい。
まず、桃太郎の旅の動機とは何か?
彼はどのように旅に出るのか?
それは、「遠征」という形で出る。
「鬼」という悪者がいて、方々で悪さをしている。桃太郎は、この鬼を成敗するために、彼らの本拠地である鬼ヶ島へと乗り込む――それが、彼の旅の動機なのだ。
ここにおいて注目すべきは、桃太郎自身、実は鬼から何の被害も被っていない――ということである。桃太郎は、鬼にはなんの恨みもない。
つまり、この遠征は、桃太郎の「一方的な攻撃」になっているのだ。その意味で、桃太郎の旅の動機には、「正当性」が存在しないのである。
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