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ゲームで学ぶ「成長の法則」(2,112字)

2015/01/15 06:00 投稿

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ぼくは、今なおさまざまなスキルを身につけようと日々勉強しているのだが、同時に「成長とは何か?」ということを概念的に考えてもいる。なぜかというと、そこで「成長の法則」を見つけられれば、それを勉強にフィードバックすることで、成長そのもののスピードも上げていけるからだ。

その中で、ぼくはゲームをとことんやり込むことで、「成長の概念」を深化させている。
そこで今日は、そのゲームのやり方と、深化させた「成長の概念」について書いてみたい。


ぼくのゲームのプレイスタイルは、とにかく一つのタイトルをとことんやり込むことだ。一つのタイトルをとことんやり込むと、いつしか「そうか、なるほど!」と思う瞬間が訪れる。
この「そうか、なるほど!」こそ、成長の証である。人は、成長したときに「そうか、なるほど!」と感じるようにできている。
だから、逆にいえば「そうか、なるほど!」を目指すことが、一つの「成長メソッド」ともなる。「そうか、なるほど!」を効率的に得られるようなメソッドが組み上げられれば、それが「成長が効率的に図られるメソッド」ともなるのだ。

例えば今、ぼくはiPhoneでソリティアの「クロンダイク」を遊んでいる。試合数は、現在のところ30,609回となっている。

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3万というと、1日100回やったとしても10ヶ月かかる数字だ。
これくらいやり込むと、その過程でたくさんの「そうか、なるほど!」を味わうことができる。


試しに、ここでちょっとプレーしてみたい。
まずカードが配られるが、このとき、最初に注意して見るポイントがある。
それは、一番右の列のカード。ここでいえばダイヤのクイーンだ。

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これをどうやって移動させるか――というのをまず考える。

なぜかというと、失敗になるときのパターンとして、右側の列だけ残っている――ということが多いからだ。その逆に、右側の列が早く移動できたら勝利の可能性が高い。
クロンダイクに勝利するコツの一つに、「いかに伏せられているカードを『早く』少なくするか」ということがある。だから、なるべく伏せられているカードの多い右側の列から移動していった方がいいのだ。

こういう「パターン」を、クロンダイクをやり込んでいくといくつも見つけることができる。するとそこで、何度も「そうか、なるほど!」を味わえるのだ。
それは、今までできなかったことができるようになる感覚である。乗れなかった自転車に乗れるようになったときの感覚だ。古代ギリシア人は、それを「エウレーカ」と表現した。

この「エウレーカ」を手軽に体験できるという意味で、ゲームというのは非常にすぐれている。そもそも集中しやすく、やり込みやすいように設計されているからだ。
例えば、このクロンダイクも勝利すると花火のエフェクトが上がる。これを見るとテンションが上がるので、まだトライしたくなる。単純な仕掛けだが、やり込むには大きな助けとなる。

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ゲームに話を戻す。
右端のダイヤのクイーンを移動するためには、黒(スペードかクラブ)のキングを場に出す必要があるのだが、今のところそれが見えていない。

そこで、手札の中から探してみる。すると、一番後ろにクラブのキングがあった。

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だから、これを場に出せれば、ダイヤのクイーンを移動して、その下の伏せ札を開けることができる。

それを念頭に置きながら、まずは場に出ているカードをできるだけ移動してみる。
最初にダイヤのエースを組札のところに移動する。エースを見つけたら、問答無用で移動する。序盤でどれだけ組札にカードを移動できるかも、勝利するための重要なポイントとなる。だから、エースはもちろん、2とか3といった小さな数字の所在地にも、最初は気をつけておく。

いくつか開けていくと、伏せ札の中からスペードのキングが現れた。

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そのため、手札にあったクラブのキングはとりあえず使う必要がなくなったので、ダイヤのクイーンを移動させる。
いくつか動かしていくと、こうなった。

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このとき、スペードのキングを空いた列に移動することもできるが、今はやめておく。なぜかといえば、伏せ札が少ない列を先に移動してしまうと、後で伏せ札の多い列が開かないということがしばしば起こるからだ。列は、なるべく均等に開けた方が勝利できる確率が高い。これも、ソリティアを3万回やる中で見つけた「エウレーカ」だ。

――と、このようにクロンダイクの実力を向上させることで、ぼくは「成長そのものをメソッド化」することにも取り組んでいる。ゲームで遊ぶことも、こうしてメタ的な視点を持つと、非常に有用な取り組みになるのだ。

ところで、今週の土曜日、14日から岩崎夏海クリエイター塾の第二期がスタートする。この塾は、主にクリエイティブを中心に、これからの競争社会でどうやって有用なスキルを身につけていくか――ということを大きなテーマとしている。
こちらの塾生を、まだ若干名募集している。

概要としては――

開催期間:2015年1月から6月までの半年間
回数:12回
開催日:隔週で土曜の午後
時間:毎回約2時間半
開催場所:渋谷の貸し会議室

となっている。
もしご興味がおありの方は、ご参加いただければと思う。

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岩崎夏海

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