物語は、「馬の首」と呼ばれる星雲のとある星に、犬の顔をした知的生命体が住んでおり(地球人と同等の知能を持っているが、文明は遅れている)、そこを舞台にくり広げられる。
ある時、その星に宇宙船に乗った地球人がやってきて、政治的な思惑から住民同士を仲違いさせる。やがて、共和国軍と国家軍とに別れた住民は戦争を始める。すると地球人は、国家軍を助けるという形で介入するのである。
そんな世界を、「戦争婆さん」と呼ばれる1人の老婆と彼女の4人の息子が生きていくさま――その顛末のドタバタを描いたのがこの作品だ。
この小説は、いろんな戦争小説のコラージュである。
例えば、上で紹介した戦争に突入するまでの経緯は、小説の発表当時激化していたベトナム戦争とそっくりだ。ベトナム戦争も、実質はベトナム対アメリカの戦争だったが、表向きは北ベトナムと南ベトナムが戦う
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