「ゴッドファーザー」は、映画も面白いが小説も面白い。
映画は、映画史に残る名作なのだが、小説も、それに匹敵するくらいなのだ。
ぼくは、これに非常な影響を受けた。あまりに強い影響を受けて、「もしドラ」の文体を似せてしまったほどだ。
どういうふうに面白いかといえば、まずはなんといっても「虚実皮膜」であるところ。
「虚実皮膜」とは、近松門左衛門が提唱した「戯作の面白さは、虚実の境目の薄い皮膜のような部分にある」という概念だ。つまり、虚虚実実――本当のような嘘の話だったり、嘘のような本当の話こそ、真に面白いというわけである。
そしてこの「ゴッドファーザー」という作品は、読んでいるとドキドキするくらいに虚実皮膜なのだ。これはドキュメンタリーなのではないかと、何度となく錯覚させられた。そして出てくるのがマフィアや人殺しだから、こんな話を書いて作者は大丈夫なのかと、何度となく心配させられた。
例えば、映画で
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