「がんばっていきまっしょい」は、予算も規模も小さな作品だが、信じられないくらい面白い。佳品と呼ぶのが相応しいだろう。
なぜ予算も規模も小さかった映画がここまで面白くなったのか、今回は考えてみたい。


面白くなった理由その1「オールロケ」
オールロケというのは、映画に奇蹟を生む。小さな作品が大きく化けるのは、決まってオールロケをしたときだ。

オールロケで成功した作品として有名なのは「ロッキー」だ。
「ロッキー」には2つの伝説がある。

1つは、この作品がステディカム(手待ちでも揺れないカメラ)を史上初めて使ったこと。
それを開発した人がフィラデルフィア美術館の階段でデモを撮ったことから、「ロッキー」の撮影もフィラデルフィア美術館の階段で行うこととなった。そうして、あの主題歌をバックにガッツポーズする伝説のシーンが生まれたのだ。

ところで、なぜステディカムのデモをフィラデルフィア美術館の階段で撮ったかといえば、こ