「もしドラ」が発売されてから、よく「『もしドラ』は何をきっかけに売れたのですか?」という質問を頂く。しかし、「もしドラ」は発売後3日で増刷が決まり、その後も順調に版を重ねていった。
だから、明確な「きっかけ」というものがないのである。強いていうなら、発売したことそのものがきっかけだった。発売と同時に、さまざまなことが動き出したからだ。

翌週の日曜日、ぼくは講演を依頼してくれたYさんと一緒に都内の大きな書店を巡った。池袋のジュンク堂、新宿の紀伊國屋書店、渋谷のブックファースト、東京駅の八重洲ブックセンター、丸善、神保町の三省堂など、およそ10店舗ほど回った。
そこでぼくは、Yさんの指示に従ってPOPを用意していった。それを「使ってもらえませんか?」と書店員さんに預けると、場合によっては店頭に置いてもらえるとのことだった。

この活動が、売上にどれだけの貢献を果たしたかは分からない。後日、POPを手渡し