先日、AKB48の第5回の選抜総選挙が行われ、ぼくはYouTubeで行われた中継のコメンテーターとして、横浜にある日産スタジアムに行ってきた。選抜総選挙自体は午後5時過ぎから始まったのだが、その前にコンサートが行われていたので、4時に会場に到着したぼくは、それを途中から見る格好となった。

コンサートを見てまず圧倒されたのは、その観客の多さだ。アリーナを含めた日産スタジアムの客席は、満員の観衆で埋め尽くされていた。約7万人いたそうだ。7万人の観衆と、千人近くのスタッフが、そこで行われるイベントのためだけに、一堂に集結していたのである。

それを見て、YouTube中継のスタッフから、「これを見てどう思いますか?」と聞かれた。
ぼくは、AKB48ができた頃から、いやできる前から秋元さんの弟子として働いていたので、その変遷はつぶさに見てきた。その中で、スタート当初の客が全くいなかった頃を知っているから、スタッフとしては、その変化の大きさをぼくに語ってほしいようだった。

しかしぼくは、その光景を見ながら全く別のことを考えていた。その質問で思い出したのは、全く別の光景だった。そしてそれが、もしかしたらAKB48の成功の理由の一つかもしれなかった。そこで今回は、そのことについて書いてみたい。


AKB48のスタート当初の光景を思い出す時に、ぼくの脳裏をまずよぎったのは、その客の「少なさ」ではなかった。それとは反対に、スタッフの「多さ」だった。