使われる人間とは何か?
それは他人の価値観で生きる人間である。
では「他人の価値観で生きる人間」というのはどのようなものか?
それは自分よりも社会との関係性――つまり「和」をだいじにする人間のことだ。
今度のアメリカ大統領選は日本でも話題になった。そこであぶり出された面白い現象があると思っている。それは、トランプを嫌ってハリスを応援していた人は、それだけでもう「本質的に生きていない」ということだ。「与えられた価値観」で生きている。
「与えられた価値観」のうち、最も大きいのは「人から嫌われてはいけない」という思想だ。人との和に何より価値を置いている。だから、それを崩す者を唾棄するという思想だ。
そこでは当然のように「自分」は二の次三の次である。和の方がだいじだからだ。「和を以て貴しとなす」だ。
20世紀はそういう生き方が幅を利かした。19世紀までは勝手なやつもそこここにいたが、20世紀に入る
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