石原莞爾と東條英機:その46(1,696字)
1929年に歩兵連隊長になった東條英機は、部下の歩兵たちにとっては理想に近い上司だった。常に下々のことを気にかけてくれ、偉ぶったところが少しもなかった。
東條は、部下たち全員の顔や氏素性を覚え、何くれとなく声をかけたり、また気にかけてくれたりした。陸大を受ける将校がいたら、受験勉強に励めるよう、仕事の量を少なくするなど配慮した。これは、自分が陸大受験に苦労した経験によるものだ。
東條はとにかく人情にあつかった。人間味があったのだ。それが、エリート揃いの天保銭組の中ではいかにも異色であった。天保銭組のほとんどは、歩兵など歯牙にもかけないどころか、人間扱いすらしなかった。エリートたちにとって、歩兵は単なる駒、もっというと道具に過ぎなかった。道具としてのケアはしたが、人間扱いすることはなかったのだ。
しかし東條は違った。彼は歩兵たちを人間扱いし、あつい人情をかけた。それで、東條は「人情連隊長」な
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