石原莞爾と東條英機:その30(1,657字)
石原莞爾は1920年に中国に渡る。そこで作戦課に配属される。いわゆる諜報部だ。ただし、この頃の中国はまだ平和だったので、石原の日々も平穏だった。
このとき、石原は板垣征四郎と出会っている。板垣が石原の直属の上司だったのだ。
板垣征四郎は陸軍士官学校の16期で、同期にはあの永田鉄山がいた。陸軍大学には少し遅く入って28期である。板垣は、年齢は石原の4つ上だが、陸大では石原の2期先輩だった。
板垣は、少々とらえにくい人物である。陸大を出るくらいだから能力においても相当秀でていたのだが、それ以上に際立っていたのはその人間力だ。どんな人をも受け入れる深い許容力、包容力があった。そのため、周囲からの信頼が絶大だった。
板垣は、他の陸大出身者と違って才気煥発としたところがあまりない。カミソリのような鋭さより、むしろ鈍器のような重々しさがあった。そういう人物は陸大出身では希だったので、異彩を放っていた。
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