1970年代、来るべき80年代の「大量消費社会」を予感しながら、若者たちは「新しい生き方」を模索していた。すると、その取り組みがやがて巨大なアートムーブメントになった。特に「イラスト」は、70年代アートシーンをリードした。それに、ファッションや音楽、マンガやアニメなどが追随して、独特の文化が生み出された。
それより半世紀前の1920年代にも同様のムーブメントがあった。世界中を近代化の産物である工業製品が席巻したが、それらはどれもデザイン性の乏しい醜いものだった。
そこで有志の若者たちが、「工業製品を美しくしよう」と立ち上がり、デザイン性を伴った工業製品の設計に取り組んだ。それらがバウハウスやアールデコ、あるいはカリフォルニアスタイルの誕生につながった。
そうした新しいアートムーブメントの機運というものが、現在――2020年代にも感じられる。人々は、新しい世の中の到来を予感しながら、さまざま
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