人間は面白い生き物だ。「意識」というものが他の動物より発達している。そして人間の大きな特徴の一つは、この意識の発達により、動物にとってとても重要な「無意識」が後景化されてしまった。無意識が隠されてしまっている。ほとんどの人が、無意識を意識できない。このことが、矛盾していて面白い。
人間の無意識も、他の動物と同じで重要であり、また支配的である。実際、人間の活動時間の約7割は依然として無意識状態だという。寝ている時間も含めると、その割合はもっと増える。1日の中で、意識があるのはほんの3、4時間である。あとのほとんどの時間は無意識なのだ。
それにもかかわらず、人間は無意識を意識できない。例えばトイレに行くとき、人間はほとんど無意識である。「どのようにトイレに行こう?」とか、「どのように用を足そう?」などとは考えない。何も考えず、ただ無意識にトイレへと行き、用を足している。
それは、無意識であるが
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