アートの定義とは、

豊かな欲望×貧困なイメージ=アート

である。このとき、「豊かな欲望」ももちろんだいじなのだが、それ以上にだいじなのは「貧困なイメージ」であろう。

では、「貧困なイメージ」とは何か?

それは、「ありきたりな道具」のようなものである。使い古された社会の仕組みのようなものだ。ありふれていて、目に入っても意識することは少ない。コンビニに売っている定番商品のようなものである。

この定番商品を自分の性欲と掛け合わせる。そうして、おどろおどろしい何かに仕立て上げる。それこそがアートなのである。TOTOの『アフリカ』も、「したたかでミステリアスな若い白人女性」という貧困なイメージがまずあった。それにペイチとポーカロ、2人の性欲を掛け合わせたからこそ、音楽史上に残るアートになったのだ。

だから、発想の種はあくまでも「貧困なイメージ」にある。『アフリカ』の場合は、女性だけではなくアフリカに