TOTOの『アフリカ』という曲がある。TOTOは必ずしも「アーティスト」ではないが、この曲だけは「アート」として残った。

ではなぜアートとして残ったのか?

ここで結論をいえば、それは「妄想」に基づいて作ったからだ。作曲したペイチとポーカロ、二人の妄想によって作られた曲だからである。

ペイチとポーカロは、この曲を作るまで、まだアフリカに行ったことがなかった。ただテレビでアフリカの飢餓のニュースを見て、ふと「アフリカについての歌を作ろう」と思い立った。

しかし二人にはアフリカの知識が全くなかったので、仕方なく妄想で書くことにした。これが良かった。妄想で書いたから、『アフリカ』はアート作品として音楽史に刻まれることとなったのだ。

つまり、アートは妄想に基づいて作られるものなのである。では妄想とは何か?
こう聞かれると、多くの人は「豊かなイマジネーションの産物」と思う。しかし、それは必ずしも正解で