人には美醜を見分ける能力がある。それは生きていく上で必要であり重要だからだ。
なぜ必要であり重要かというと、美醜は真贋を見極める上での物差しになるからだ。そして人は、真実に近づかないと長生きできない。逆に、贋に近づくと死んでしまう。だから、真贋を見分ける能力は生き死ににかかわるという意味で必要だし重要なのだ。
真実は、たいてい美しい。そして贋物は、たいてい醜い。だから、真贋を見分けられる能力のある人が、長生きできるシステムにこの世界はなっているのだ。
では、美しいとは何か? その逆に、醜いとは何か?
答えは、美しいものは生命であり、醜いものは死である。人は生命を美しいと思い、死を醜いと思う。
ところで、そうした価値体系とは別に、「生命ではないのに美しいと感じるもの」がある。それは宝石だ。宝石は、この価値体系にとっては例外的に、無機物なのに美しい。
それは、人間の本質的な価値体系の外側の存在
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