マンガのはじまり:その11(1,703字)
北澤楽天は1902年から時事新報に「時事漫画」の連載を始めた。楽天26歳の年である。
前にも書いた通り、これの形式はアメリカ由来の「コミック・ストリップ」だった。おかげで以降、コミック・ストリップのスタイルが「漫画」と呼ばれるようになる。
こうしてみると、漫画の源流にはアメリカという国もあったことになる。『北斎漫画』など日本の浮世絵、フランスの風刺画、イギリスのパンチ系雑誌、アメリカのコミック・ストリップなどが絶妙に組み合わさって、徐々に新しいスタイルが組み上がっていったのだ。
この「時事漫画」が絶大な人気を獲得し、北澤は1905年に『東京パック』という漫画雑誌を自ら創刊している。この「パック」という名は、恩師ナンキベルがアメリカで編集していた雑誌『パック』にちなんでいる。
『東京パック』のサイズはB4変形版で、つまりA4よりも一回り大きい。昔のグラフ誌のようなサイズだ。中身もオールカラー
この記事の続きを読む
ポイントで購入して読む
※ご購入後のキャンセルはできません。 支払い時期と提供時期はこちら
- ログインしてください
購入に関するご注意
- ニコニコの動作環境を満たした端末でご視聴ください。
- ニコニコチャンネル利用規約に同意の上ご購入ください。
コメント
コメントを書く