なぜ日本の教育はうまくいったのか? 取り分け20世紀に入ってからうまくいくようになったのはなぜか?
そこで、今回はこの時代を代表する科学者たち――堀越次郎と湯川秀樹、そして浅永振一郎の来歴を見てみたい。そこと教育との関係を考えてみたい。
まず堀越次郎は1903年(明治36年)の生まれだ。つまり、江戸の雰囲気がだいぶん失われてから生まれている。
生まれた場所は、群馬県の藤岡市。まあまあの田舎である。両親は農業を営んでいた。そこで四人兄弟の次男として生まれた。
ただ堀越は、生まれたときから大秀才で、小学校はもちろん、地元の藤岡中学や、全国から俊英が集まる東京の第一高校も首席で卒業。東大に入学すると、なんとそこの工学部航空学科も首席で卒業するなど、エリート街道をまっしぐらに突き進む。
次に、日本人初のノーベル賞を獲得した湯川秀樹は、1907年(明治40年)の生まれである。「湯川」は養子先の姓で、
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