[質問]
コロナにより、リモートワークが流行っています。新人の編集者やライターなどが、リモートワークをすることはプラスに働くとハックルさんは思いますか?
[回答]
新人ほど、マイナスに働くでしょうね。ぼくは若い頃、それこそ丁稚のようによく事務所に泊まり込んでいましたが、それはそれで楽しかったですし、とても勉強になりました。つまり、若い人ほど近接して先輩から学び取ることが多いのです。逆に50歳になった今は、コロナの前からリモートしているので、近接して働く必要性は薄いといえます。移動の手間が省けて助かっているくらいですね。
そう考えると、これからの若者は「いかにして近接して働く環境を作るか」ということが、重要なテーマになるかと思います。
[質問]
最近、ビックリしたようなことがあれば教えてください。
[回答]
「ビックリした」ということに限定するのは難しいですね。というのも、ぼくは近年、ビックリすることが目に見えて少なくなっているからです。それは、経験が増えたことと、未来予測をし、それが当たるケースが増えてきたこと、物事の道理を見抜く力がついたことなど、さまざまな要因によってそうなっています。
それなのでビックリしたことは思い浮かばないのですが、その逆に「モヤモヤした」ことは増えました。特に、人からバカに思われることでモヤモヤすることが少なくありません。ぼくは、さまざまな理由で他人からバカに思われるようにすることが習慣化しているのですが、最近は「それではいけないのではないか」と、少し疑問に思うようになってきました。「もっと頭が良く思われていた方が、生きやすいし、社会に貢献できる度合いも高まるのではないか」と、つい考えてしまうのです。
そこで、最近では少しずつ、頭が良く思われるように心がけています。いつまでこの気持ちが持続するかは分かりませんが、できるところまで継続するつもりです。
[質問]
「頭が良い人」の定義はなんでしょうか?
[回答]
今だったら「未来予測できる人」ということになるでしょう。ぼく自身、今は知的能力のほとんどを未来予測に注ぎ込んでいるのですが、そうなっているのは、未来予測の分野だとぼくの知的能力を活かせる――ということが大きな理由です。未来予測は純粋に頭だけの勝負になるので、頭が悪い人たちに勝てるのです。
そのため、「未来予測できるかいなか」が頭の良さを図る上でのバロメーターになると思います。ぼくはこの先、「未来予測学」なるものも生まれるのではないかと予測しています。
[質問]
少子化の抜本的な解決策はありますか?
[回答]
ぼくは、「少子化を問題視する人」はみんな「国家」という共同幻想にとらわれていると思っています。しかし、それは端的にいって未来予測ができていません。国家は、そのうちなくなります。おそらく気候変動が、なくなることの引き金になるでしょう。気候変動で海面上昇などの深刻な環境破壊が生じたら、世界中は否応なく協力せざるをえなくなります。そうなると、邪魔な国家という共同幻想は取り払われ、逆に新しい「地球政府」という共同幻想を作らざるを得なくなると思うからです。
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岩崎夏海
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