生きるとは、結局のところ「フロー」である。
そもそもこの宇宙全体は、一つのエネルギーの総体であり、それが動から静の状態へと継続的に転位している。その巨大な現象の一過程として現れたのが命であり、我々一人一人の人間なのである。人間とは、宇宙全体が持つエネルギーの転位がもたらした一現象に過ぎないのだ。
ぼくは、前からおかしいと思っていた。というのも、そもそもぼくは父親の一億個の精子の中から選ばれた一匹に過ぎず、しかも兄弟が一人しかいないため、生まれてくる可能性は信じられないくらいに小さい。それは、ぼくがぼくである必然性を疑うくらいの小ささである。ほとんど意味性を疑うレベルだ。
しかしこれまでは、それを「運命」とか「奇跡」といってごまかしてきた。確かに、そういう概念に収めるとなんとなく納得できるし、特に自意識が満足できる。「自分」という存在と上手くつき合うためには、そこに何らかの意味があった方が好
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