ぼくは子供の頃(11歳頃)にタイに暮らしていた。

その頃(1980年頃)のタイは貧乏で、日本の属国のような感じで、貧困層の子供たちは阻害され、ストリートチルドレンが多かった。

ぼくは親父が運転する青ナンバー(国連職員だった)のトヨタマーク2に乗って、窓の外のストリートチルドレンをよく見ていた。
青ナンバーのマーク2には外交官特権があって、検問はどこもノーチェックでスルーだった。そんなとき親父は「国連職員はこれがあるんだよ」と照れながらも嬉しそうだった。ぼくは、子供心にも「この車は上級国民(特権階級)そのものだ」と思った。

その青ナンバーの車は、バンコクの街中を走っていると交差点でストリートチルドレンが群がってきた。チルドレンは、女の子は花を売っていたし、男の子は窓拭きをしていた。そうしてお金を恵んでもらおうとするのだ。

親父はときどき情け心を出して、哀れそうな子供の花を買ってあげたりしてい