みなさんは「大川小学校」を知っているだろうか?

名前は聞いたことがあるかも知れない。東日本大震災で多くの子供や教職員が津波に飲み込まれた、悲劇の舞台として。

ただ、その裏に何があったか――ということについては、ご存じないのではなかろうか。実は、ぼくもほとんど知らなかった。それは、単に津波のもたらした大きな犠牲の一つかと思っていた。

ところが、そうではなかった。これは人災だった。大川小学校の子供や教職員たちは、死んだのではなく殺されたのだ。それも、誤ったマネジメントによって殺された。ぼくは、そのことをつい最近知ったのである。

知ったきっかけは、西條剛央さんの書いた『クライシスマネジメントの本質」という本を読んだからである。

クライシスマネジメントの本質: 本質行動学による3.11 大川小学校事故の研究 - Amazon

西條さんはドラッカー学会の会員で、学会の会合を通して知り合った。その西條