お金は、市場での交換を促進するための道具だ。もっというと「交換の道具」である。交換の間にお金を挟むと、交換しやすさがぐっと増す。そのため、お金が生まれてから世の中の物々交換がぐっと促進した。いわゆる市場が活性化した。

ところで、そんなふうに最初は物々交換の道具でしかなかったお金は、やがて保存のための道具だったり、未来の価値との交換の道具だったりとしても使われるようになった。あるいは、お金そのものが信用の証になった。だから、存在のありようが複雑になり、すったもんだの悲喜劇を人類にもたらすようになった。

おかげで、現代人にとってのお金は「何か訳の分からないもの」ととらえられがちだ。しかしながら、それはあくまでも表層的なものに過ぎない。基本は至ってシンプルだ。物々交換の道具であり、その意味合いが消えたということはない。だから、それは常に頭に入れておくべきだろう。

さて、そんなふうにお金は「交換」