自分を客観的に見るためには、以前にお伝えした「幼かった頃の自分がどんなだったかを周囲に聞いて回る」という方法も有効だが、ここではもう一つ別の方法を紹介したい。
それは、冗談のように聞こえるかもしれないが、しかし至って真面目な方法である。何かというと、目をつむることだ。目をつむって、頭の中で幽体離脱をイメージするのである。自分の魂が身体から離れたことをイメージする。その上で、その魂を空中の少し浮いた場所に置き、そこから自分(の身体)や他人を俯瞰で見るのだ。そういうイメージをする訓練を積んでいくのである。
これは、ぼくが編み出した技ではない。その昔、能を創始した世阿弥が編み出した、能の演技者として上手くなるための方法の一つだ。
世阿弥は、もっと具体的に指示をしている。能を舞っているとき、頭の中で視点を自分より後方五メートル、上方三メートルの位置に持っていく。その上で、自分の背中を俯瞰で見る。あ
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