最近、いくつかの大手企業で早期退職者を募っているという。45歳以上がその対象になっている。

なぜかといえば、社会の構造変化が深刻だからだ。大手企業は社会の深刻な構造変化についていけず、構造的に売上げを落としている。従って、業績を回復したり維持したりすることが極めて困難な状況だ。

そうなるともう、無慈悲なリストラしかない。ドラッカーはリストラを経営における最大の敗北と見なしていた。事実そうなのだろうが、今、そういう敗北する企業が次から次へと現れ、後を絶たない状況である。

とにかく、日本において元気な業界や企業というのがない。しかしそういう状況でも、デフレやテクノロジーの進歩によって人々は一定水準の生活は確保できている。それがなおさら社会をややこしくしている。

一定水準の生活が確保できていないなら、社会はもっと荒れるのだろうが、確保できている分、荒れるに荒れられない。人々は怒るに怒れない。