お金というのは、何度もくり返すように道具である。そして、それがうまく機能するためには、みんながそれを信用する必要がある。そのため、これまでは国や政府がその信用を保証し、共同幻想を巧みに構築してきた。
ただ、21世紀に入ってその様相が急激に、しかも大きく変化するようになった。何が起こっているかというと、これまで国や政府が担保していたお金の信用を、私企業が担保するようになったのだ。
例えば、JRが発行しているSuicaというものがある。いわゆる電子マネーの一つで、最初は電車に乗るための道具――いうなればJRの企業においてのみ使える「私企業内通貨」に過ぎなかった。
ところが、このSuicaの使える範囲がJRという企業の枠組みを超えて、格段に広がりつつあるのだ。例えば、今やほとんどのコンビニで使える。スーパーでも使える。最近は病院などでも使えるようになっている。そうして、Suicaの決済システムを
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