これからどう生きたらいいのか？：第40回（1,701字）

実は、今の日本の格差社会の中で、富裕層は最も過酷な競争にさらされている。時代の変化が激しく、いつ追い落とされるか分からないからだ。

そのため、富裕層は富裕層で「種存続の本能」を強く刺激されている。おかげで、子供を生みたいという欲求が中間層よりも高くなっているのだ。

しかも、富裕層は子供を育てていけるだけの経済的余裕もある。そこのところでも、子供を生み、育てるための障壁は少ない。そうした理由で、富裕層は富裕層で子供を生む率が高くなっているのだ。

そういうふうに、日本では富裕層と貧困層――つまり格差社会の両端で出生率が高く、出生数の減少をなんとか食い止めている状況だ。

しかしながら、そうした食い止め方にも限界に来ているところがある。ここ数年、日本の出生数は再び下がり始めている。

なぜかといえば、社会そのものが、子供を産み育てるのに困難な環境になってきているからだ。どう困難になっているかというと