人は、数学を汎化の練習台として重宝し、また交易のための物差しとして活用してきました。
そうするうちに、やがて面白いことが分かってきたのです。それは、先述したように数学には他の学問にはない「絶対性」があるということです。どれだけ時代が経っても、発見された理論は永遠に変わらない。それがあるからこそ物差しとして活用できたのですが、そこには単に「実用的」ということにはとどまらない、独特の神秘性や不思議さ、そして美しさがありました。
例えば、πというものがあります。πとは円周率のことです。
この円周率というのが、なんとも不思議なのです。円の面積の計算に用いるという、我々にとってとても身近なものでありながら、それは絶対に割り切れません。どこまでも小数点が続きます。ちなみにこれを「無理数」といいます。
また、小数点以下の数字もランダムに出てくるのです。そこに法則性は見出せません。しかもそれが、永遠に続く
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