しかしそれに反して、仕事の量は減り続けるだろう。人が仕事をしなくてもいい時代が、本格的に到来する。
そもそも、人間の仕事の「範囲」は、産業革命以来ずっと減り続けてきた。仕事の大部分を機械が補えるようになって、それまでしていた仕事をしなくても良くなったからだ。
産業革命によって一番減った仕事は農作業だ。なにしろ、産業革命以前は人口の90%以上が農民だった。農業は、人が生きることの中心だった。
しかし今は、2%にも満たない。農家は、約50分の1にまで減少したのだ。
ただ、農業の量が激減しても、仕事の「量」自体はそれほど減らなかった。なぜなら、多くの人間が、農業の代わりに新しい仕事を始めたからだ。
それらは、ほとんどが頭を使った仕事だった。いわゆる「知的労働」だ。人間は、農業をしなくても良くなった代わりに、これまでできなかった知
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