今年、企業の内部留保は最高に増えた――つまり景気は上がっているが、従業員の給料は上がっていないという統計結果が出ている。
あるいは昨年、人手不足で潰れた企業が史上最も多かったという。人手不足でどんどんと会社が潰れているというのだ。
普通は、会社の業績が上がれば人手不足になる。人手不足になれば、社員の給料も上がる。
しかし、社員の給料は上がっていない。
これは一体、どういうことなのか?
大昔は、資本家がたくさんの情報を持ち、なおかつそれを秘匿していたので、不当に多くの財産を得て、労働者との格差が激しかった。それに怒った労働者たちが、組合を作って資本家と戦い、その戦いは功を奏して、だんだんと労働者の待遇は改善されていった。
それと同時に、労働者はその多くが社会主義や共産主義を思想的なバックグラウンドとしていた。しかし、社会主義や共産主義は20世紀に社会システムとしてはほとんど機能しないというこ
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