お金の話:第10回「お金を使う人の価値が高まった」(1,992字)
お金というのは、さまざまな理由により価値が薄まってきた。インターネットをはじめとして、お金に代替するものがたくさん出てきたので、お金がなくとも世の中が回るようになってきたからだ。
そうした中で、お金が余るようになってきた。今、銀行にはたくさんのお金が使われないまま眠っている。銀行家は、それへの使い道がなくて困っている。だから貸そうとしているのだが、借りる人がなかなかいない状況なのだ。それで、金利がどんどん下がっている。
なぜ借りる人がいないかといえば、お金がなくとも世の中が回るからだ。
ほんの20年ほど前までは、会社を設立しようとすると最低でも1500万円は資金が必要だった。それをすぐに用意できる人は少なかったから、銀行から借りる必要があった。おかげで、銀行は貸す人には困らなかった。
しかし今は、ほんの10万円ほどで簡単に起業できる。10万円なら多くの人が簡単に用意できる。だから、銀行は貸
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