「きみは勉強ができないんじゃない、勉強の仕方を知らないだけなんだ」第27回(1,637字)
ヘウレーカの快感を味わうためには、まず「分からない」を通過しなければならない。料理を美味しくする最大のこつはおなかを減らすことだというが、ヘウレーカもこれと同じで、まず「分からない」という煩悶がなければ、快感にはなりえないのである。
しかしながら、人はその苦痛になかなか耐えられない。「分からない」というのは元来、好奇心旺盛な人間にとっては最大の苦痛ともいえ、それに対する耐性はそもそも備わっていないのである。
おかげで、ほとんどの人はすぐにそこから逃げてしまう。その逃げるとき、最もポピュラーな方法はいわゆる「酸っぱいブドウ」だ。心理学用語では「防衛機能」ともいうのだが、そこで「知的好奇心を満たす必要はない」あるいは「満たしたとしても対して快感は得られないだろう」と自分自身を騙すのである。自己暗示をかけて傷つかないようにするのだ。
驚くべきことに、この自己暗示は方法を習ったことのない子供でもす
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