ヘウレーカの快感を味わうためには、まず「分からない」を通過しなければならない。料理を美味しくする最大のこつはおなかを減らすことだというが、ヘウレーカもこれと同じで、まず「分からない」という煩悶がなければ、快感にはなりえないのである。
しかしながら、人はその苦痛になかなか耐えられない。「分からない」というのは元来、好奇心旺盛な人間にとっては最大の苦痛ともいえ、それに対する耐性はそもそも備わっていないのである。
おかげで、ほとんどの人はすぐにそこから逃げてしまう。その逃げるとき、最もポピュラーな方法はいわゆる「酸っぱいブドウ」だ。心理学用語では「防衛機能」ともいうのだが、そこで「知的好奇心を満たす必要はない」あるいは「満たしたとしても対して快感は得られないだろう」と自分自身を騙すのである。自己暗示をかけて傷つかないようにするのだ。
驚くべきことに、この自己暗示は方法を習ったことのない子供でもす
ここから先は有料になります
ニコニコポイントで購入する
チャンネルに入会して購読する
- この記事は過去記事の為、今入会しても読めません。ニコニコポイントでご購入下さい。
コメント
コメントはまだありません
コメントを書き込むにはログインしてください。