「きみは勉強ができないんじゃない、勉強の仕方を知らないだけなんだ」第22回(1,671字)
子供には純粋な「好奇心」がある。幼い頃は「なぜ? なぜ?」と母親に質問を連発する。
しかし、長じるに従ってそうした質問は影を潜める。好奇心そのものもどんどん減っていき、やがて発露されなくなる。
なぜか?
それは静かに、しかし深く傷ついているからだ。そして傷つくたびに好奇心が鈍磨し、発露されなくなるのである。
多くの母親は、子供の質問を鬱陶しいと思う。そして、それにほとんど答えない。そこで子供は学習する。下手に質問をしても母親の機嫌を損ねるだけで、単に答えが得られなくてがっかりする以上に、母親のイライラや怒りを買う。
そのため、「質問を発することそのものが良くない」と考えるようになるのだ。そうして、質問を発するに至った根本原因であるところの好奇心というものも、なるべく発露させないようしていくのである。
おかげで、子供が生まれつき持っている哲学力は、思春期を迎える頃にはたいていの場合失われてし
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