お金の話:第2回「若い頃、お金に失敗した話」(1,877字)
お金には生き金と死に金がある。上手く使えたお金は生き金で、下手に使ったお金は死に金だ。
ぼくは、20代の後半に一度だけ年収1000万円を越えたのだが、その後急速に下降するということを経験した。1000万円の数年後がわずが95万円だったので、10分の1に激減したのだ。
年収が95万円でなんとか暮らしていたから、年収が1000万円あれば10年暮らせるということになる。1千万円あったのはほんの数年前だから、お金はまだ残っていて良さそうなものだが、もちろんそれらは跡形もなかった。全部使ってしまっていたのだ。
年収が95万円になったとき、何度そのことを考えただろう。あの頃に稼いだ金が少しでも残っていれば、ここまで苦労せずに済んだものを……と。
それで、ぼくはその頃に稼いだお金が何に消えたかを考えた。
まず真っ先に思い浮かんだのは「遊興費」だ。
当時、遊興にはものすごくお金がかかった。特にぼくは男性で
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