すぐれた編集者になるには、「本質を見極められる力」が必要だ。そのための感性を磨く必要がある。
しかし現代人は、感性が鈍ってしまった。なぜなら、恐怖を味わう機会が少なくなったからだ。
恐怖心こそ、人間のセンサーである。いうならば感性そのものだ。これを磨くには、適度に恐怖心を味わっておく必要がある。しかし現代人は、恐怖から遠ざかったしまった。
なぜかといえば、世の中から「暗闇」が消えたからだ。夜でも照明を至るところでつけているので、暗闇による恐怖が失われてしまった。
実は、暗闇こそは恐怖の中で最もプリミティブな存在なのである。恐怖の王様なのだ。人間は、暗闇を怖いと思うように制度設計されている。だから、恐怖心を味わうには暗闇に接するのが一番だ。
では、暗闇が失われた現代で暗闇に接するにはどうすればいか?
その答えは、バカバカしく聞こえるかもしれないが「目をつむる」ことだ。目をつむると、何より物理
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