あしたの編集者:その27「恐怖心の育み方」(1,924字)
恐怖心は、人間が生きていく上で欠かすことのできないセンサーである。
ところが、人間は恐怖心が働いている状態――つまりセンサーが稼働している状態があまりにも苦痛なため、やがてそのセンサーが働かなくてもいいような生き方を模索するようになった。
すると、その取り組みはある程度功を奏したので、人間はあまり恐怖心を抱かなくても生きていけるようになった。しかし、それによって肝心のセンサーが機能しなくなってしまったため、生きていく上でさまざまな支障(危機を認識できなかったり、勘が鈍ったり)が出るようになった。あるいは、クリエイションのレベルが下がってしまったのである。
おかげで、編集者として生きていくためには、もう一度恐怖心を呼び覚まし、鋭敏な感覚を取り戻さなければならなくなった。そうしなければ、クリエイションのレベルが上がらず、いい本が作れないからだ。
では、恐怖心を呼び覚まし、鋭敏な感覚を呼び覚ます
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