台獣物語32（2,556字）

３２

　そうして合宿は、あっという間に予定の五日間を過ぎていった。

　合宿所での毎日は、見るもの聞くもの全てが新しく、それらについていちいち考えさせられたり悩まされたりしたので、いつも夕ご飯を食べ終わる頃にはへとへとに疲れ果ててしまい、おかげでよく眠ることができた。

　それに、同じヲキやトモの仲間たちとこうして長い時間一緒に過ごせたのも大きな刺激となった。合宿では、日中の暑い時間はいつも休憩時間だったので、その間によくおしゃべりなどをした。

　その中では、やっぱり年頃の男女が集まっている分、よく恋愛の話になった。特に、高校生のヲキやトモたちは、いずれも積極的な人間が多かったので、自らの経験をあけすけに語った。

　ぼくは、その方面についてはかなり奥手だったので、残念ながら自分の経験を語るというわけにはいかなかった。それでも、もちろん恋愛に興味がないわけではなかったので、いつも興味津々に聞き入