最近気づいたのは、「コンテンツの需要のされ方」が以前とは異なってきた――ということだ。味わわれ方が違ってきた。
どう違ってきたかというと、初見では味わい尽くせなくなった。そこに無数の小ネタが込められるようになったのだ。


『シン・ゴジラ』という作品でそれを説明するのだが、まず初めに柳田理科雄という人が登場する。
柳田氏は科学者で、同時にコンテンツのファン(オタク)であった。彼は科学者の立場から、さまざまなコンテンツにツッコミを入れ、それを本に出したりした。

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柳田理科雄の空想科学読本〈1〉(空想科学文庫) - Amazon 


そのツッコミの一つに、「巨大な怪獣は自重に耐えられない」というものがあった。分子構造的に、あれほどの重さのものが立ち上がれば、骨や筋肉は自重に耐えきれずぺしゃんこに潰れてしまうというのだ。それは、科学的あるいは物理的に証明できることだという。

人々は、もともと巨大怪獣が