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世界的なプロダクトを生み出す日本の美的感覚:その23(1,992字)

2016/06/14 06:00 投稿

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  • 日本の美的感覚
マンガの「劇画化」を促進させた川崎のぼるとちばてつやは、同時に劇画の限界をも示すこととなった。そうして一九七〇年代は、旧来からの記号的表現――つまり「漫画」と、新しい写実的な表現――つまり劇画の融合が目指される時代となった。

そうした時代に、実にさまざまな新しい表現者たちが現れ始めた。この1970年代の後半から、マンガを取り巻く状況は一気に混沌としていく。
そして、ここに来てようやく、日本は「終戦」、あるいは『新宝島』の影響から逃れ始めた。戦後しばらく経ってから生まれ、『新宝島』をリアルタイムで読んでいない子供たちがマンガ家になっていったのだ。

その新しい表現者たちの代表的な人物に、大友克洋と江口寿史がいる。
大友克洋は一九五四年、つまり戦後九年目の生まれだ。手塚治虫の『新宝島』が出た頃にはまだ生まれてないので、マンガは生まれたときからすでに存在していた「マンガ・ネイティブ」となる。
そし

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