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世界的なプロダクトを生み出す日本の美的感覚:その13(1,903字)

2016/04/05 06:00 投稿

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  • 日本の美的感覚
戦争が終わって一年半、荒廃した日本の街々で、貸本屋は次第に隆盛していった。娯楽に飢えた子供たちが、大挙して押しかけたからだ。
そんな中、これまでとは大きく異なった読書体験をもたらしてくれる新しいマンガが突如現れる。それが『新宝島』であった。

『新宝島』の作者は、原作・構成が坂井七馬、作画が手塚治虫であった。
この、『新宝島』という作品、及び作画を担当した手塚治虫という人物が、その後のマンガの歴史、あるいは日本のコンテンツ産業の歴史を大きく塗り替えることになる。

まず、『新宝島』は当時貸本を夢中になって読んでいた多くの子供たちを魅了した。
なぜ魅了したのかといえば、その絵の作風、及びもたらされる読書体験が、これまでのマンガとは大きく異なっていたからだ。

どう異なっていたかというと、当時の子供たちの言葉を借りれば、それは「動いて見えた」のである。そうした感覚は、従来のマンガからは得られないもの

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